PMO用のBacklogプロジェクトを作り、プロジェクト横断で進捗・リソース管理している話

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弊社では、お客様とのやりとりにBacklogを使っていますが、それらとは別で「PMO」という名前のBacklogプロジェクトを作成し、そこで進捗やリソースの管理をしています。

主に私が進捗・リソース管理をするためのものであり、運用しつつ改善を続けている最中です。

PMOプロジェクトの概要

このプロジェクトは、弊社の受託開発に関わるスケジュールやリソース全体を可視化するためのプロジェクトです。 全てのBacklogプロジェクトの進捗状況と受託開発チームのメンバーのリソース状況は、ガントチャートとカンバンボードを使って管理しています。

PMOプロジェクトの目的と背景

このプロジェクトで進捗やリソース管理をすることで、下記のような状態を目指しています。

  • プロジェクトをまたいで、各案件の進行状況が一覧で把握・管理できる
  • プロジェクトをまたいで、誰がいま何を担当しているのか、または今後いつどの案件を担当する予定があるのかを可視化し、メンバーに負荷がかかりすぎないようにする

なぜ進捗管理・リソース管理専用のBacklogプロジェクトを立ち上げたかですが、下記のような理由からです。

  • Backlogは、個別のプロジェクトでガントチャートを見ることはできるが、プロジェクト横断では見られないため
  • Backlogは、フィルタ機能を使えば人ごとにいま担当しているタスクが見られるが、「今後いつ何のタスクが入っているか」という先々のスケジュール感を見るには適さなかったため

元々はスプレッドシートを使って管理をしていたのですが、管理しづらかったことからBacklog利用に切り替えました。スプレッドシートよりも断然見やすく・わかりやすく・かつ管理しやすくなったと思います。

課題サンプルとルール

課題サンプル

 - タイトル:XXX-2 SPに〇〇が表示されない
 - 本文:課題のURL
 - 期日:元の課題と同じ日を設定
 - 担当者:なし
 - カテゴリー:課題の担当者をプルダウンで設定
 - 種別:見積・相談 / サイト構築 / スポット開発 / 保守 / タスク / その他
こんな感じで課題を登録してます

課題管理のルール(ゆるめ)

1. タイトルと課題欄は必要最低限の情報のみ登録

各案件の対応は元の課題で行うので、PMOプロジェクトの課題には詳細は記載しません。 タイトルは、元の課題をコピーし、プロジェクトキーと課題番号ごとペースト。 PMOプロジェクト内の課題から元の課題にすぐに遷移できるように、課題欄には元の課題のURLを入れています。

2. 期日は元の課題と同期

期日を設定しておくことで、PMOプロジェクトのガントチャートでスケジュール感が見えるようになります。元の課題の期日が延びた場合は、こちらの課題も期日を延長します。

3. 担当者は「カテゴリー」を使用

「カテゴリー」は、そのタスクの担当者を設定できるようにしています。 なおPMOプロジェクトでは [担当者] 欄は使用しません。 担当者を設定してしまうと、各プロジェクトでメンバーが担当しているタスクと重複してしまうためです。

※「カスタム属性」を使うことも考えましたが、ボードのフィルタ条件が [種別][カテゴリー][マイルストーン][担当者]のみであり、カスタム属性を追加できないためこのやり方に落ち着きました。

PMOプロジェクトのボード画面

4. 種別でタスク区分がわかるように

課題には「種別」を設定。PMOとして管理しやすいように、タスクの区分がわかるようにしています。

例:[見積・相談] / [サイト構築] / [スポット開発] / [保守] / [タスク] / [その他] 等

種別はこんな感じで

5. サイト構築案件やスポット案件などは、プロジェクトゴールをマイルストーンに設定

進捗を複数の課題で追っていく必要があるような規模が大きいプロジェクトは「マイルストーン」を設定しておくようにします。こうすることで、ガントチャート上で「マイルストーン」で並べれば、プロジェクトごとの進捗が見やすくなります。

6. 要件定義/デザイン/開発…等のフェーズは子課題で設定

初めは課題を分けていたのですが、親子課題に設定するようになりました。 親課題を開けば子課題もまとめてステータスが変更できたり期日が変更できたりするなど、画面遷移を最小限に抑えられる(時間が節約できる)ためです。

7. 基本は元の課題とPMO上のコピー課題のステータスは同期

元の課題とPMO上に作ったコピー課題のステータスは基本的に同期させておきます。ただし、元の課題のステータス変更がわかりづらいケースもあるため、適宜、PMO上でのみステータスを変更することもあります。

課題管理の流れ

  1. 各プロジェクトでタスクが発生したらこのプロジェクトに課題をコピー
  2. 案件が進行したらそれぞれのステータスを変更
  3. 元の課題の進捗状況を週2~3の頻度でチェック
  4. 元の課題が完了したら、PMOプロジェクトに起票した課題も完了にする

PMOプロジェクトを作って良かった点

まずは前述の「PMOプロジェクトの目的と背景」に記載した2点が叶ったことです。

  • プロジェクトをまたいで、各案件の進行状況が一覧で把握・管理できるようになった
  • プロジェクトをまたいで、誰がいま何を担当しているのか、または今後いつどの案件を担当する予定があるのかを可視化できるようになった

同時に、お客様用のBacklogでスケジュールを作成する前に、事前にPMOプロジェクトで課題を作って仮スケジュールを設定し、開発者にスケジュールを確認し、開発者のアサインが完了した上でお客様にスケジュールを提示できるようになったこともメリットでした。

悩み

現状のところは割とうまくいっているこの運用方法ですが、なんといっても課題の登録が手動というのが今のところの悩みです。

PMOプロジェクトのメイン運用者は私なので、仮に私が休んだり、忙しくて手が回らないと課題を取りこぼすおそれがあるためです。

これに対しては、いったん

  • メールで、Backlogの課題追加だけフィルタリングして別フォルダにする
  • フォルダにメールが入ってきたら、Backlogのメール転送で自動起票できる機能を使う
  • 自動起票したメールはメールフォルダから削除する

みたいな形で運用してみるかなあ、とぼんやり思っています。お知恵をいただける方大歓迎です。